自覚と悟り

1冊の闘病記の「その後」が教えてくれたこと。

長野へ向かっています♬

全宇宙のmomo.ファンの皆さまこんにちは。

前記事で、闘病中に購入していた本をご紹介しました。

 

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夏の通常運転は、お昼寝からのご近所モス✨ 全宇宙のmomo.ファンの皆さまこんにちは。   先日、夫の実家に遊びに行ったときのこと。   私が闘病中に買った、1冊の本 ...

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その中の1冊について書きたいと思います。


先日、夫の実家に遊びに行ったときのこと。

なつかしい1冊の本を見つけました。

 

なぜ、この本が実家にあるのかというと、

私は2013年5月、31歳のとき、若年性乳がんがわかり、

そのときのステージはⅡbでリンパ節転移あり、
核グレードⅢの「顔つきの悪い」がんでした。

闘病中の様子は回想録として、

このブログの「momo.’s story」のテーマに綴っています。

告知から術前抗がん剤治療中、

週の半分は、病院に近い、夫の実家に滞在させていただいていました。

そのときこの本を購入し、読みました。


年が近い著者であることと、

その著者が、きれいごとではなく、

感じたことを素直に、

辛口あり自虐あり、笑いありで書いていた内容に、

共感し、くすっと笑わせてもらい、

(このときの私にとって、くすっと笑えることはどれだけ大きかったか)

恐怖と不安の中でも、一時の安らぎを受け取っていました。

そのときのことを、長いこと忘れていたのですが、

先日、夫の実家に遊びに行ったとき、

私が買ったその本を置き忘れていたのを見つけたのでした。


懐かしさとともにページをめくりながら、

2010年に発行された本であることを見つけ、

著者のその後を検索してみたら、

2011年に乳がんが再発転移、その年末に亡くなっていました。


なんともいえないショックが広がりました。

私が知らなかっただけで、

この本を買った時点で、

もう著者は亡くなっていたんだなあ。


がん患者あるあるだと思うのですが、

闘病中、出版されてる他者の闘病記とか、読まないんですよね。

なんでかっていうと、出版されてる闘病記って、

亡くなってしまう方のことを感動的に仕上げてる本が多いから。

完全に自分とは別の方の「ストーリー」として読めるならいいのですが、

同病の患者という観点がかぶっている以上、

自分とリンクさせてしまうのは自然なことだと思います。


そういうところからみると、

元気になって、本も書いている人がいるという事実は、

私にとって希望でした。


元気になった観点から、

こうして向き合って、

本に書いたりブログに書いたりすることで、

少なくとも「がん=死、涙」という一般的なイメージに風穴があくし、

私自身、治療後数年経った視点から書けることがたくさんあり、

それをいつか本にしたいと思っていたから。

そんな近い目標みたいな存在。


そんな存在の方が、すでに亡くなっていた事実を知り、

やはり、再発転移は、だれにでも、充分おこりうることなのだ。

みぞおちに重ーい感覚が広がりました。


同病で亡くなる人の話を聞くのは、いまだにこたえます。

どんなに自覚したって、悟りを深めたって、

こわいもんはこわいんだな。

死ぬときは死ぬし、そこに向き合うときは、必ずくるんだな。

恐怖から逃れたい私、

こわいことを起こらせないようにしたい私に気づきました。


悟りといっても、恐怖が湧いたとき、

これは幻想だとか、自我が怖がってるんだ、本性の私じゃないんだとか、

思い直すことは私はしません。

イルカみたいに本性のままになれるわけでも、

時間の呪縛、肉体の呪縛を見破れるわけでもありません。

恐怖をなくそう、変えようとしても、失敗します。

少なくとも今の私は。


私のやり方は、こわい気持ちの言い分をよく聞いてあげること。

感じてあげること。

そこには、あきらめ、怒り、反発、不安、いろんな気持ちがあります。

今出てきたものを、誠実に丁寧に見ていく。

どんなこわいことがおこっても、

結局は、湧いてきたものをひとつひとつ、見ていく、ということなのではないかな。

今の私は、そう思います。


まだまだわからないことたくさんあるし、

いろんな気持ちがまきおこるけど、

そんな今、私が感じること。

それでも私は、悟りの道を行く。

堂々とね。


※著者の片野あかりさんは、転移がわかってからも、亡くなる直前までブログを更新されていました。

そのありのままの姿に、言葉以上に心に響くものがありました。

ありがとうございます。

もう6年以上のときが流れていますが、ご冥福をお祈りします。

 

最後までお読みくださり、ありがとうございます♪

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